夢のおまけ

これまで「エリザベート」という作品をフランツ目線でしか観たことのなかった私にとって、トートに感情移入して全幕を、しかも連日観るというのは新鮮な発見の多い日々でもありました。シシィはただのわがままで、ルドルフは理想しか見ない、フランツだけが地に足をつけて生と向き合った。…というのがこれまでの見解なのですが（我ながらあんまりだという自覚はある）、あながちそれだけでもなかったのだなと、歌詞を味わいながら聴き、ストーリーを追うことで、この作品の言わんとするところが少しずつ分かってきたような気がします。

歌詞や台詞の解釈も人それぞれ。「死」がただ一度だけ人を愛するというプロットを、いろんな人がいろんなふうに咀嚼し、感じ、演じ、この作品の歴史はつくられてきたのだということを、今日のDREAMバージョンで実感しました。
シメさんバージョンはシメさんの世界。そして今回は祭だったので、ある意味シメさんの持つ「エリザベート」の世界観に浸り、魂を委ね魂を吸い取られることが全てだったわけですが、今日いろんな人の扮装を見、歌を聴いて、宝石が見る角度によって違う色に見えるみたいに、「エリザベート」も演じる人と受け取る人によっていろんな物語になるというのが分かりました。

トリプルシシィ、ダブルゾフィ、トリプルフランツに子ルドもふたり!? まあとにかく豪華でした。夢が叶った上におまけをもらったようなプログラムでした。シメさんは第一幕の後半、「最後のダンス」からハンガリー、ミルク、鏡の間まで。これは…やっぱり他のパターンも観たい。

でも祭はおしまい。明日から通常運転に戻ります。良き社会人として笑顔で過ごすことが、夢を叶えてもらった幸せ者が今すべき最低限のことだと思います。公演はまだ続きますが、千秋楽まで皆が健康で無事に過ごせますように。
改めまして、今回紫苑ゆうさんのトートを実現してくださった全ての方に、心からお礼を言いたいです。大袈裟じゃなく一生の思い出になりました。本当に本当に、本当にありがとうございました。

平常心、平常心!!

定時まで職場にいる必要があったのだろうか…座ってただけ!! 死ねばいい!!
胃液が逆流しそう。落ち着け私。

泣いても笑っても今日が最後。DREAMバージョン夜の部を観てきます。

会えない午後（リプライズ）

今日は東京・固定キャストバージョンの千秋楽。
午前中は幸福感に包まれた状態で、午後は心ここにあらず状態でデスクに向かっておりました。
この精神状態で請求業務って反則だったなあ。久々に電卓で3度も検算してしまったよ。

紫苑ゆうさんには宝塚退団後、ブラックアウト期間がありました。
1999年末の大劇場リサイタルに現れるまで、噂と目撃談しかなかった。
宝塚のファンです、と言う人に会って私も観てました、って話になっても、
紫苑ゆうさんの追っかけやってました、と言うと「誰それ」と返される期間が長かった。
「再会」が始まってもしばらくはそうだったかなあ。
でもそんなもんだと思ってました。これが普通。一般人のファンやってるんだし。

なのに、どんどん幸せにさせてもらって。
こんな幸せを味わえる日が来るなんて想像もつかなかったです。
今回のステージ、夢が叶ったという表現もできるけれど、
実際には望んだものの10倍、100倍をプレゼントされました。

シメさんの情熱、愛の強さ、まっすぐさ、ストイックさ、信念…
強い引力にぐいぐい導かれていたら、ここまで来ていた感じです。
公演情報が発表になったとき、一番喜んでるのはシメさん本人、と書きましたが、
やっぱり…喜んで、幸せにしていただいたのはファンのほうでした。

素敵なトートだったなあ。もっと観ていたかったなあ。またやらないかなあ。

大阪行きたくなってきた…どうして平日なの～
明日はDREAMバージョン、大切に味わってきます。

うるさくてすいませんでした

紫苑ゆうトートバージョン3回目の観劇、チケットを手配したときは自分でも「そんなに観るの…」と思ったものの、取っておいてよかったです。後悔先に立たず。っていうか明日も観たい。何故に仕事を優先してしまったのだ…

カーテンコール。シメさんが主要キャストを紹介したあとで、「では、教え子の方～」と言いながら振り向くと、出演者後列が一斉に、まっすぐピンって手を上げて、「ハイ! ハイ!」って言いながらジャンプしている教え子ちゃんもいたりして、何だかそれを見ていたらグッと来てしまいました。何でしょうね、うまく説明できないし、軽々しく文章にしてはならない感情だと思うのですが、確実に今日イチで涙腺に来ました。その後、客席に詰めかけたOGや現役生へのコメントに加え、「退団してからも肉親のような愛で支えてくださったファンの皆様」って言っていただいたのに、そっちより教え子ちゃんのくだりのほうがずっと心に刺さりました。

今日は紫苑ファン総見。まあ一昨日からずっと総見みたいなものですが、でもやっぱり特別です。
客席には64期ご一行様も集合しており、シメさんから「今日は同期も揃ってくれて」と紹介があったときの、「きゃ～」と叫びながら手を振るタイミングと角度が、予科生か! っていうくらいピシッと揃っていたのが圧巻でした。練習などされたのでしょうか…このパートも泣けたなあ。そして何故か67期も大集合。ヨウちゃん金曜から皆勤、シギちゃん精勤、今日はミキちゃん、京ちゃん、リンゴちゃんもお見えでした。さらに白城あやか様も!!

こういうときOGの皆様はたいてい賑やかなのですが、ファンも思い切りピーピー言わせていただきました。カーテンコールでひとしきり騒いだあと、客電が点いても追い出しアナウンスが掛かっても拍手を止めずに続けていたところ、トート閣下がお一人で緞帳前へ。最後は投げチューも頂戴し、満足したところで空気読んで引き揚げてまいりました。だいぶセーブしたつもりだけど、かなりうるさかったんだろうなあ…周りのお客様、すいませんでした。でもすっきりした!!

通し役、主演、念願のトート、周りの豪華キャスト、複数回公演、ハッピーエンド、教え子との共演。全てが脳の処理能力を超えるほどに幸せすぎて、心がじんわり暖かく感じたり、たまにウルウルしたりするものの、まだ完全に実感しているとは言い難いです。実感したころには終わってるんだなあ…惜しい気もしますが、今回の奇跡に感謝、そしてこの奇跡を実現させてくださった全ての方々に感謝したいです。本当に本当にありがとうございました。

涙は後からやってくる

昨日の夜公演、今日の昼公演と観劇し、放心状態のままやっとPCに向かっています。
ただただ「うう良かった～!!」と悶えた昨夜。場面場面を味わった昼間。

2009年のリサイタルもそうでしたが、舞台を観ている間は案外泣かないもんだなと思っていたのに、
少しして落ち着いてくると感情が一気にバババと迫ってきます。

紫苑ゆうさんのトートは、感情を抑えているのに抑え切れないトートです。
恋に落ちたとき。意外と難攻不落な相手だと分かったとき。外堀から崩すべく革命家を指先で操るとき。
自分は「黄泉の帝王」だから氷のように振る舞わねばならない、振る舞っているつもり。
でも自分でも気づかないうちに、表情や仕草に感情が出てしまう。
そして最後、昇天するときには、紫苑ゆう名物くしゃスマイル!! しかも顔近すぎ!!
未来永劫、恋などしない設定のトートが、人生（!?）で一度きり恋愛成就して誰か一人のものになり、
誰かが自分だけのものになると確定したときの、「黄泉の帝王」の体面を捨てて爆発する喜び。

個人的に、かなり好み…
その芝居を支えているものは、宝塚で培ってきたものであり、
また退団後に積み重ねてきたものでもあると思いました。

「再会」で年に一度お会いできるようになってから、私はスター・紫苑ゆうのファンであると同時に、
思索し、悩み、考え続け考え尽くす、壮年の一個人としての紫苑ゆうさんのファンでもあったのだと思います。
音楽学校講師のお仕事は、「自分でやったほうが早い」との戦いなのではないかと想像します。
自分が築いてきたスタイルや哲学を、どう他人に植え付けていくか。
トップスターだったからってできる仕事ではない。我々の知らない葛藤が、ものすごくあったはずです。

そうやって考え続け、答えを探したり見つけたりし続ける紫苑ゆうさんはすごく魅力的だし、
その18年間が積み重なっての「今」のトートを我々は観たのだと思います。
「今」の紫苑ゆうさんが造形するトートを観ることができて、本当に幸せです。
そして、こんなに幸せな思いをさせてもらえる、紫苑ゆうのファンは世界一の果報者です。
決してファンを裏切らない人だなあ。
…とか考えていたらさっきから自宅でひとり、テレビも点けずに嗚咽（爆）。今日は涙の流れるままに。

さて、忘れないうちに

本日の感想

人間、本当に幸せだと言葉が出てこないものなのですね…
もしくは頭の処理能力が追いついていないのか。
ランダムに様々な場面を反芻してはうっとりし、もう日付が変わります。

記念すべき日、伝説に立ち会うことができて幸せでした。
観ている間、暖かくて懐かしい感覚にずっと包まれていました。

ああ、良い舞台を観たなあ。

目撃せよ 伝説を

夕方ちょっと席を立ったら、そこから全く集中できなかった…
自力で会場へ辿り着くことができました。既に大汗

もう文章を組み立てるパワーもないので
行ってきます!!!

不思議な幸福感

2011年11月、「再会」終盤のトーク。

「2008年の『再会』で、翌年バウでリサイタルしますってご報告したら、うわ～って喜んでくださったでしょ。
あれよりもっともっと喜んでいただけるご報告があるんです。あるんですけど…今日まだ言えないんです」

ざわつく客席を鎮めるかのように歌い出したのは「愛と死の輪舞」。
全員が大きく息を吸い込むのを感じました。…まさか、そんなことが起こるなんて。


年が明けたら、と予告されていた公式発表は6月末。
そしてついに、「エリザベート スペシャル ガラ・コンサート」紫苑ゆう特別出演が明日に迫りました。

永遠に訪れることはないと思っていた日です。そういうものだと思って十数年を過ごしてきました。
どう待てば良いのか、どう盛り上がれば良いのか、今もって分かりません。
始まるのは楽しみでもあり、夢にさえ見なかったものを見るのが怖くもある。
終わってしまうのは怖くもあり、その後に来るであろう幸福感が楽しみでもある。

もっと落ち着かないのかと思いました。きっと仕事も手につかない。
意外と心安らかで、じんわり、しみじみと幸福感に包まれている感じです。
いつも通り文庫本を読みながら出勤し、いつも通り仕事をし、いつも以上に捗っております。
すごく不思議な感覚。でも実際こういうものなんだろうなという気もする。


…いや実は意識がぶっ飛んでいて、仕事が捗っていると思っているのも錯覚なのかもしれない。

正しく盛り上がる

ついに初日の幕が上がり（けっこうな雨だったよ!）、初日前日には囲み取材などあり、
シメさんの扮装もお披露目されました。これは完全に不意打ち…魂を抜かれそうな佇まい。

で、いよいよ始まる!! ということで何か記事でも書かないとな～と思っているのですが、
先日来ずっと、書いては消し、書いては消しを繰り返しています。

何と言うか…どう盛り上がって良いのかイマイチよく分からない…

待っていた時間は1年間でもあり、十数年でもありました。
でも、この日が来なくてもファンは十分幸せにしてもらえたから、おかわりのような感覚でもあります。
あまりに特別なこと過ぎて、もう何だか心の準備以前に目一杯なのかも。

シメファンとして、念願の紫苑トートを観られる・聴ける喜びに純粋に興奮したい。
役者・紫苑ゆうの追っかけとして、今この時期に役者・紫苑ゆうが造形するトート像を素で味わいたい。
舞台の観客として、可能であればストーリーもちゃんと追いたい。音楽も音楽として堪能したい。
あと宝塚ファンとして、余裕があれば、実は超豪華な他の出演者の皆さんもちゃんと見たい。
社会人として、公演期間中カゼなどひかず、仕事も無難にこなしたい。

全部いっぺんには無理だろうなあ。何を聴きに行くコンサートなのか、未だによく分かんない。
今回のガラコンに対する正しい盛り上がりかたではないだろうなあ。

…ま、いいか! いっぺん観てから考える。

ラッキー♪

電話かかってきた～ムフ
いつも本当にありがとうございます。マジ頭下がる。