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今さら自分探しの旅2013: 2. 冬に旅するということ [ドイツ2013]

ドイツのベストシーズンは初夏。冬に旅するなら南へ。そんなこと百も承知だったのに。ケルン留学時代、11月から12月にかけて自分でも驚くくらいに気分が塞いだのを今でもはっきり覚えているのに。真冬のドイツへ行くなんて自分がどうなってしまうかちょっと不安だった。でも終わってみると、まあ悪くなかったし、実はまた行ってみたいと思ってしまっている。

・真夜中のフライト
羽田から飛ぶようになった深夜便、搭乗開始前に猛烈な睡魔が襲ってきて危険、との前評判を聞いてはいたのですが、何だか単純に興味があり、それに旅行日数を1日分稼げるという魅力もあり、初挑戦してみることにしました。

ANAのフランクフルト便(LHとのコードシェア)、01:10羽田発→06:35ドイツ・フランクフルト着。出発日は朝から会社で仕事をし、ほど良く(!?)残業してから羽田空港へ向かいました。
前日までに荷造りを終え、荷物は職場へ持ち込まずに最寄駅のコインロッカーへ預けました。余談ですが今回の旅行、とにかく駅のコインロッカーにお世話になりまくりました。防犯上コインロッカーを使用できない国もあるようなのですが、ドイツは主要な駅に必ずコインロッカーがあり、さほど危険も感じることなく、便利に活用させていただきました。
出発日に向けてめきめきとユーロ高が進み、外貨両替のタイミングが掴めなかったのですが、仕事で外出したついでに銀座で両替。同じタイミングで保険にも加入しましたが、出発日がフライトの前日(羽田空港へ到着する日付)になってしまったので、そこはちょっと損した気分でした。まあ保険金じたい掛け捨てだったので何よりですが…

羽田空港では到着ロビーでシャワールームを利用。スーツケースを持って入ると少々狭いかなという印象ですが、髪まで洗ってスッキリ、しかも長袖が息苦しいくらいに温まることができました。
事前にチェックインと座席指定をネットで済ませてきたので、スーツケースを預けたあとは国際線ターミナル内をウロウロ。日付が変わる前に主要なお店が閉まっちゃう、という噂を聞いていたのですが本当で、もう少しお店のバリエーションがあると良いかなあ。
噂どおり搭乗開始前は深い睡眠の世界へ引きずり込まれそうになりましたが、乗り遅れることもなく無事に出発。水平飛行になってからいただく軽めのスナック(日本時間で02:30とかでしょうかね…)も、日本時間で正午くらいに出てくる朝食も、残さず美味しくいただきました。
機体はB787、クルーはANA。B787はずばり、狭かったです。小柄なほうなので、あまり機内の狭さを気にしたことがなく、これが狭いということか…と初めて認識。それでも食事は全て平らげたし、睡眠もたっぷり取れたし、このフライト、私には合っていると思います。

フランクフルトには06:00ちょい前に着陸。空港駅の長距離ホームで、朝から20分も遅延する列車を待ちながら、コーヒー片手に吸い込んだドイツの冷気は、東京のそれとはちょっと違う、冷たくて痛くて、でもちょっと懐かしい空気なのでした。

・クリスマスマーケット
ケルン留学中、見に行ったはずなのに殆ど記憶にないクリスマスマーケット。せっかくシーズンに行くのだからと、なるべく多くの町で訪ねようと決めていました。
まあ結論としてはどの町のクリスマスマーケットも大して違いはなかったのですが、何にでも合理的なドイツ人が「こんなもの何に使うの…」と思うような商品に目を輝かせてお買いものし、老若男女こぞって屋台に列をなして買い食いする様子が微笑ましく、楽しく人間観察しておりました。何があんなに楽しいんでしょうね、本当に。
訪ねたクリスマスマーケットは次のとおり。ニュルンベルク/ハイデルベルク/フランクフルト/ハノーファー/ゲッティンゲン/ケルン、計6都市。ニュルンベルクはさすがに有名なだけあって雰囲気もあり、さらにソーセージやレープクーヘンなど名物も味わえてちょっと違うぞ、という感じでした。

・朝焼け
だんだんに日が短くなる12月中旬に訪ねたため、すぐに暗くなってしまって行動しづらかった一方で、大好物の朝焼けをたくさん見ることができたのがラッキーでした。
到着した日はフランクフルトからニュルンベルクへ向かう列車の中で、だんだんに街が目覚めていくのを見ているようで雰囲気あって良かった。このコースはだんだんに雪深くなってゆくのも味わいがありました。
フランクフルトでは、ホテルでの朝食を終えて部屋に戻る廊下から注ぐ朝の光が白くて幻想的で、まるで自分が北欧文学の中に入り込んだかのような気分でした。
帰国する日はケルン駅前のホテルで、朝食を終えたところで窓の外に見える朝焼けがあまりに綺麗なのを発見。猛ダッシュで部屋へ戻り、防寒対策をして外へゴー。大聖堂への階段を駆け上がり、速足で大聖堂の中を通り抜け、駆け足で川沿いの道へ。朝焼けの色は名前を付けられない色だと思うけれど、夜の色と昼の色に挟まれた一帯が、黄金と呼ぶしかない強烈な色彩で、出発までの短い時間、しばし言葉を失って見入っていたのでした。

ケルンでは留学以来初めて、当時住んでいた学生寮を訪ねたのでした。自分で決めた交換留学だったけれど、誰も知る人のいないケルンという町に初めて到着した日の、真っ暗な不安の中へひとり放り込まれたような心細い感覚は今でも忘れられません。数年に一度ケルンへ戻ってくると、楽しかったことよりも不安だったことや心細かったこと、泣いたことや涙すら出なかった日のことを思い出します。何を得て戻ってきた留学でもないけれど、未熟な私を黙って見守ってくれたケルンの町、風の匂いや鐘の音、ライン川や大聖堂は忘れえぬ故郷で、めいっぱい強がって頑張っていた自分を思い出すことのできる原点なのかもしれないです。ぐずぐずしていたら終わってしまう朝焼けを追いかけて走り回ったケルンの街並みに、何だかよく分からないけれど力強く励まされた気分でした。冬に旅した意味はここにあったのかもしれない。

・戻ってみたら寒かった…
帰国した日から東京も急に寒くなって、もしかして雪が降るかも、ということになっていた(結局降らなかったけれど)。油断して、持ってきた中でいちばん涼しい服装で帰国してしまった私は渋谷に着いた時点でガクブル。街を行く人たちがドイツ並みにヌクヌクした格好で歩いていて焦りまくりました。
そして、帰宅してみると12日間留守にしていたアパートがキンキンに冷えていて、帰ったらすぐに寝る! と思っていた目論見が外れてしまったのでした。おかげでその日のうちに荷物の整理もできたけど、セントラルヒーティングが基本なヨーロッパの家屋が早速恋しかったのでした。

次は列車の旅について。もう帰国して1か月。いつ更新するつもりなのでしょう…
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Asami

はじめましてこんにちは。Asamiといいます。京都の学生です。
たまたま「独検 準1級 二次試験」と検索していたらこのブログに行き当たりました。(今週末が二次試験なんです(笑))
少しブログを拝見したところ、とても面白く感じ、これは是非コメントを一つ残したい!と思いました^^
私も8月までドイツに一年間留学をしていたので、ドイツの記事にはどことなく共感するものがあり、さらにhilde_nanaさんの表現に心がじーん、となりました。
冬のドイツのいいですね。今年は暖かいようですね。これからも更新楽しみにしています。
Asami
by Asami (2014-01-22 01:01) 

hilde_nana_

Asami様

ご訪問・コメントありがとうございました。
独検の面接はいかがでしたか? このブログではあまりお役に立てていないですね…

朝焼けや、だんだんに明るくなっていく景色が大好きな私としては、
じっくり堪能できる冬のドイツは悪くなかったです。
でも留学中はそれどころではなかった記憶があります。一杯一杯だった…

8月に戻られたということは、噂の「あの」極寒を体験されたということですね。
イースターまで雪が残っていたと聞きました。

一年間の留学経験って、例えば就職やお仕事に特段役に立ったり良い影響があったりするものでもないですが、じんわりと効いてくるもののような気がします。
またがんばって更新しますので、たまに覗きにいらしてくださいね。
by hilde_nana_ (2014-01-28 20:19) 

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