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よくある話 [読書]

当時はこの時期を「不遇な時代」と思い込んでいたが、最近になってようやく、この時期があったからこそ今の自分があると思える。

…久米宏



この人にもそんな時期があったのか。

分厚い本なのでちょっと迷ったけど手にとって良かった。スルスルと読み進んでおります。


久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった

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本日の一行 [読書]

芸術の才能を育てる才能にくらべれば、ただの芸術の才能はもっとずっとありふれてる
…スティーブン・キング「11/22/63」
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久々ブックレビュー「倒れるときは前のめり」(有川浩/角川書店) [読書]

声の大きい作家さんである。
…というのは比喩の話で、実際にテレビで拝見したトークは「もっと声張って話さんか~!!」と言いたくなるボリュームだったのですが。

とにかく文面から来る圧の強さというか、熱量のようなものがハンパない。
脊髄反射で全力疾走、倒れるときは前のめり、相手と素手で殴り合い、返り血を浴びる。
でも、俺が好きになった女はそういう奴だから仕方がない。

放っておけない、目が離せない、読まずにおれない作家、有川浩。
トンデモ設定や物議を醸すギリギリのところを書き、たまにネットで炎上しかけているのも見るけれど、書くことや伝えることにひたすらまっすぐな作家さん。

そんな有川浩さんがこれまでに様々な媒体に発表してきたエッセイと、事情により入手困難になっている「幻の」小説が1冊になりました。柚子の香りが漂ってきそうな装丁の本を、都内の書店を幾つもハシゴしてやっと入手。
(その2日後にサイン本が入るだなんて…なぜに店員さんは教えてくれなかったのだ)

やはり読書好きかつ有川ファンとしてたまらなかったのは、児玉清さんとのエピソードでした。
お二人のエピソードに触れるたび、「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉を思い出します。
このフレーズには続きがあって、「人は食べ物と、言葉とによって生きる」というような意味のことが書かれています。
言葉や本たちとの邂逅、読書がもたらす繋がりや奇跡が人をつくり、次の本をつくる。
そんなお二人の繋がりには、文庫「阪急電車」の解説文や、「図書館戦争」シリーズを通じて私たちも相乗りすることができます。

あとはもう、大音量でした。すごい圧の強さ(ほめてます)。
モノ書きとして、今を生きる社会参加者として、本読みとして、言わずにいられないことを全力で振り絞って書いているのが伝わってくる。
正しいか正しくないか、良いか良くないか、好きか好きじゃないか。そんなことに関係なく、私はこの人の作品が出るたび、手に取って読むのだと思います。普段なかなか向き合わない多種多様なテーマを、この人の作品は直球で投げかけてくるからです。その直球には抗えないし、提示される全力のメッセージに向き合っていたいから。それに、白か黒かの二元論で片付けることの脆さをこそ、この人の本から読者はメッセージとして受け取っているのだと思います。

そして何より、私に玄田隊長というヒーローをくださった方だからです。
「図書館戦争」シリーズに登場する玄田竜助という人物は、これまでの読書体験で邂逅した架空の人物の中でも、ぶっちぎりで好きなキャラクターになりました。
何より作戦立案が上手い。考えるより先に行動しているように見えて、実は慎重に石橋を叩いている。情に篤く、命を預け合う現場で部下たちから自然に信頼されている。元カノが好きで、本が好き。最近ついに「玄田隊長になりたい」と口走るようになった私をどうしてくれるのだ有川浩よ。

高知県のゆるキャラ、カツオ人間氏との意外な関係にびっくりしました。
読み終わってみると柚子湯に入りたいよりもカツオを食べたくなっていた残酷な読者です。サイン本ほしかったなあ…


倒れるときは前のめり

倒れるときは前のめり

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/01/27
  • メディア: 単行本


バトン [読書]

先達の思いと志を静かに引き継いでほしい。
…著者の迸るような、それでいて冷静な筆に導かれるように今日、一冊の本を読み終えました。

二十世紀と格闘した先人たち: 一九〇〇年 アジア・アメリカの興隆 (新潮文庫)





何も特別なことはしないと事前に決めていたけれど、やっぱり特別な日になりました。
いただいたもの、お預かりしたものをバトンのように大切に握りしめて、折れず腐らず真直ぐに私は生きなければ。

デラックス!! [読書]

書店で見かけました。我らが母校がしれっと載っていましたよ。オビにもコメントあり。チェキラ!!


ぼくらの近代建築デラックス! (文春文庫)




と思ったら単行本は2012年の発売なんですね。チェックが甘かったです。反省…

その記憶がうすらぐまで [読書]

くるしむかも知れないという気がしたが、助左衛門の気持ちは一方で深く満たされてもいた。会って、今日の記憶が残ることになったのを、しあわせと思わねばなるまい
…藤沢周平「蝉しぐれ」


※かなりオチに近いところを引用してしまった。これから読まれる方ごめんなさい

新年恒例の再読が遅ればせながら終了。幸せな時間でした

追記: 1月26日は寒梅忌でした

蝉しぐれ (文春文庫)


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同じ年に [読書]

1453年
英仏百年戦争の終結
コンスタンティノープル陥落

同時に読んでいる本に出てきた
すごい偶然…
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文春文庫の40年 [読書]

特設ページによると、1990年代のランキング1位は藤沢周平「蝉しぐれ」
他にもトップ10に藤沢作品が合計4作品もランクインしています。

バブル時代に読まれたのが司馬遼太郎、バブル後に読まれたのが藤沢周平、という
座談会のコメントも気になりました。




……

がしかし、最も気になったのは上記ランキングが何のランキングなのか(単に売れた冊数なのだろうが)
サイトのどこにも言及がなかったことです。(当社調べ)とかもない。ちょっとショック…

2014年3月の読書記録 [読書]

読書数が急に少なくなったんだけど何やってたんだろう…全く思い出せない(仕事してたんじゃ…)。
ま、たまにはいっか!!

読んだ本の数: 3冊
読んだページ数: 652ページ

万国博覧会の二十世紀 (平凡社新書)万国博覧会の二十世紀(平凡社新書)
五輪の話と続けて読んだので、公認/非公認に対する考え方が興味深かった。厳格な制限を設けてブランドを死守しようとする五輪と、割と何でもアリの万博。前者はそれを避けようとしつつも政治的になってしまうのに対して後者はフリーダムで創造的。五輪は人々の関心や情熱を引き付け続けるけれど、興隆のある万博も歴史として振り返ってみると面白い
読了日:3月6日 著者:海野弘


ヴァティカンの正体: 究極のグローバル・メディア (ちくま新書)ヴァティカンの正体: 究極のグローバル・メディア(ちくま新書)
学術書だと思って読み始めると「このくだり、ウラは取ってあるのかな…」といちいち気になったが、読み進めてみると「すごく博学な人のミーハーなエッセイ」として楽しめた。力を抜いて楽しめる。そして組織が永続するとは、ブランドが価値を持ち続けるとは、といった命題についての、大きく頷いてしまうようなヒントが多くあった
読了日:3月13日 著者:岩渕潤子


伝える極意 (集英社新書)伝える極意(集英社新書)
言葉は残る。残る言葉を話そう。シンプルで力強くて流れるような言葉で紡がれたメッセージ。大変なエネルギーのいるお仕事だろうに、その重たさが全くない本なのが良かった。引用される事例が絶妙で、特にダジャレのところは「どんだけ印象的だったんだよ…」と可笑しかった
読了日:3月15日 著者:長井鞠子


読書メーター

2014年2月の読書記録 [読書]

昨年が月平均6冊だったので、今年もそれくらいのペースで読まなければ、というのが何だか自分の中で勝手にプレッシャーのようになってしまい、読み終わると急いで次を探していた気がします。新しく手に取った本がどれも読み応えのある作品たちで、良い邂逅に恵まれた2月だったなと感じています。3月に入って読み終わった本に「20世紀は今や振り返る対象になった」というようなことが書かれており、改めて2月に読んだ本を思い返してなるほどな、と思いました。


読んだ本の数: 5冊
読んだページ数: 1,616ページ

クジラの彼 (角川文庫)クジラの彼(角川文庫)
大事なプレゼンを控えていたのに毎日帰宅後に日付を越えて読んでしまった。単に恋愛が甘くて羨ましいというだけではなく小説そのものとしても「良い話」なのが、何度も手に取って読んでしまう理由だと思う
読了日:2月6日 著者:有川浩


民族紛争 (岩波新書)民族紛争(岩波新書)
前半は数件の事例。どの事例も複雑すぎて気が遠くなるが、各章冒頭のサマリーがポイントを掴んで分かりやすく、社会人として羨ましくなる文章構成力だった。後半は紛争がなぜ起きるのか、どう推移するのか、防ぐことはできないのかを論じた章。紛争が成長する過程で「言葉によるコミュニケーションの総量が減少する」というフレーズに震撼。自分ごととして考えさせられることも少なからずあった
読了日:2月6日 著者:月村太郎


飛ぶ教室 (講談社文庫)飛ぶ教室(講談社文庫)
こんなに良い話だったとは。全く知らなかったので不意打ちでした。たまに読者(子ども)に対してケストナーが本気モードで語りかけるくだり、ベルリンとアルプスへの愛着、権力者への遠慮のない風刺。まぎれもなくケストナーだし、真剣に書かれた分、その真剣さに巻き込まれたような暖かみのある翻訳も良かった。久々に、贈り物にしても間違いないかなと思える本
読了日:2月11日 著者:エーリッヒケストナー


海の底 (角川文庫)海の底(角川文庫)
また読むのかよ…と自分で思いつつ楽しく再読。子供たちの心の動きがイヤミなく書かれていることに毎回唸ってしまう。今回は陸側・大人側の複雑な事情もじっくり読み、そこに込められた作者の熱意のようなものにも触れられたような気がする。烏丸さんと芹澤さんのやり取りにちょっと萌えたりしました
読了日:2月16日 著者:有川浩


幻の東京オリンピック 1940年大会 招致から返上まで (講談社学術文庫)幻の東京オリンピック 1940年大会 招致から返上まで(講談社学術文庫)
まあ大体そんなことだろうなと推測していた話ではあったものの、スポーツと政治、競技者と競技団体組織者、五輪と国家、個人と組織などなど、現代のそれと照らし合わせて考えさせられることが多かった。どう避けても少なからず政治が絡まざるを得ない一方で、4年に一度の特別な祭典、というブランドを守り続けている努力や苦労、最初にコンセプトを設定したクーベルタン氏の企画力も大変なものだと思う
読了日:2月24日 著者:橋本一夫


読書メーター

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