SSブログ

岡ちゃんの どこまでやるの [追っかけ(宝塚)]

ハイ、筆が進んできたところで続きです。ショー「ネオ・ダンディズム」。作・演出:岡田敬二♪♪♪
ロマンチック・レビューの巨匠・岡田敬二先生。「ラ・パッション!」(89年・雪組)くらいからしか知らないけど、それでもインパクトの強いやつが幾つもある、数々の名場面を生んだレビューの神様。主題歌は覚えやすく、劇場帰りに思わず口ずさんでしまう。内容は濃く、ダンスも濃く、衣装も濃く、装置も濃い。コテコテ・てんこ盛りの、でもロマンチックな魅惑のレビュー。魔法にかかったみたいなひととき。
またの名を使い回し王。「この場面、あのショーで観たよね」なんて話はザラ。幾つか納得いかない使い回しも正直ありますが、でもたいていは観る度に新鮮にリメイクされ、あたかも当て書きであるかのような場面に仕上がっているからさすが。それに次から次へと「また使えるかも」な新場面を創作するんだから、侮れません。
シメさんのサヨナラ公演も岡田作品「ラ・カンタータ」だったこともあり、サヨナラ公演で岡田作品(しかも星組←しつこいぞ)というのは嬉しくなります。特に東京公演でオプションが増えててトクした気分になったり、サヨナラショーも手がけていただけたり、ザッツ宝塚なゴテゴテ衣装が次から次へと出てきたり、もう最高。

今回も、のっけから濃い。裏地がテカテカのチャイナで男役が群舞したかと思うと、次の場面では娘役がこれでもかと登場、歌いながら舞い踊るのです(←それが仕事。ザッツ宝塚)。ダンディでナルシスな星組に、よくぞこの作品を持ってきてくださいました!! 思い起こせば15年前、星組が上から下まで(上:夏美ようさんがまだ組長じゃなかった/下:ワタルはやっと8人口とか)オール濃厚&ナルシスだったあのころ、「ナルシス・ノアール」という卒倒しそうに濃い作品を持ってきてくださった岡田先生。94年の「ラ・カンタータ」も濃くてロマンチックで、この公演でサヨナラだったシメさんは水を得た魚のように舞台上を飛び回ったのでした。さー今回は、どこまでやっちゃうのさ岡田先生。期待は高まります。…と、マニアックに盛り上がってきたところで

<以下、再び読みたい人だけ読んでください>
・岡田先生、人使い荒すぎです。もう全場面、出るわ出るわ、人がごっそり出てくるの。まあ50分のショーだとこうなってしまうのね。出てるほうはさぞお疲れでしょうが、観てるほうは心底堪能しましたです。
・バラの場面。プログラムによると「カサノヴァの分身のような4人の男が現れ」って…。そんなん言うたら張り切りますって、星組の男役は。カサノヴァはシメさんのサヨナラ公演での役だもの。だから皆あんな長髪のヅラだったのか…。カサノヴァを思い出して辛いからやめてくれ、って思ってたんだけど、作者の思う壺にはまってました。あと、4人の男の色ね。紫・青・緑・赤。「ジーザス・ディアマンテ」(90年・星組by草野旦)のオープニングの衣装とかぶるじゃないですか。
・エマ社長率いるヤング・ジェントルメン。ちょび髭をたくわえてご登場です。ついこの間まで小公子だった麻尋しゅんちゃんが、上目遣いでステッキ回してたのがいとおしかったです。因みにテレビで見た新人公演のオスカル役があまりに立派で気になっていたのですが、今日のでカンペキに惚れました。追っかけます。社長のダリみたいなクルルン髭もよかったです。工夫の人・英真なおき。
・「アディオス」って。ここも「カサノヴァ」のラスト、「アディオ・ヴェネツィア」熱唱とかぶるしー。あ、ここの場面も人がいっぱい出てきて、力いっぱいガウチョして踊り狂っててよかったです。まさかこのノリでラストまで…と心配したのですが予感的中でした。情熱の群舞はまだまだ続く…がんばれ星っ子
・ヤングガイ。「チーム・ショッテタツ」の男役陣が増強され、タキシードでダンディに歌います。涼さんがすっかりセンターで歌う人へと出世していた、…ことよりもやっぱり麻尋しゅんちゃんが気になりました。可愛いんだけど、しっかりした野太い歌声で、ダンスは指先まで神経が通ってて、この人、今後どうなっていくのでしょうか。あまりに楽しみで血圧が上がりそうです。
・キャリオカ。プログラム冊子のキャスト表を追うのがアホくさくなるほど、オールキャストでまた群舞。なのに飽きない。タップみたいのあり、パートナーダンスあり。トウコちゃんはカッコいいし、ウメちゃんは可愛いし、エマ社長は眩しいほどの金髪で軽快にリーダーシップ取ってるし。ここ、装置もステキです。舞台が広く感じたり、間延びして見えたりしないのが岡田作品。こうでなくちゃ。まー装置だけでなく、人で埋め尽くされているという噂も…
・ドン・キホーテ。おめでとう涼さん。銀橋デュエットじゃん!! しかも客席に降りてみたり、娘役のコーラス隊にキャイキャイ言われたりしちゃって美味しい役だしさー。お父さんは嬉しい(僭越ながら紫苑ゆうさん目線)。立樹さんの歌い方もだんだんクセがなくなり、気持ちよく聴かせていただけるようになってます。
・オマージュ。群舞オンパレード、ここに極まれり。ワタルくん、サヨナラなのにこんなに激しいダンス、かわいそう…謝先生も罪つくりだわ。まるでジャズダンスの発表会みたいなハードなダンス。しかもあんましダンディじゃない気が。それをダンディに料理して踊る星組生たち。あっぱれです。娘役からも男気が漂ってきます。救いは、ダンスチームと歌チームに分かれていること。歌チームもそれはそれでハードだけど(使い倒し…)、ま、少しはねえ。こちらも存分にシャウトしてくださるあたり、お客冥利に尽きます。
・ロケット!! ウメちゃんって、役者なだけじゃないのね。超キュートなスマイルで、繊細なダンスソロを見せてくださいました。しかも最後はラインダンスのセンターに…なんて贅沢。スターの卵さんたちの情熱みなぎるラインダンス、いつ見ても感動します。盛大な拍手を贈らせていただきました。
・All by myselfってコラコラ、これも「ナルシス・ノアール」にあったよ。ネッシーさんが貫禄たっぷりに棒立ちになり(因みに身長175cm)、「若かったオレ」とか歌ってあとみんなで踊るやつ。まー岡田先生にそんなこと言っても始まらないんですが。そしてこの場面も麻尋しゅんちゃんに釘付けだった私。そしてだんだんにシャウト具合がヒートしてくる面々。つくづく体力勝負なショーです。
・引き続き黒燕尾のボレロ(もちろん群舞)。かっこいいお兄さん達をオペラグラスで追っているうち、あっけなく終わってしまった感じで、この場面に限っては惜しいことをした…。因みに黒燕尾の群舞におけるエマ社長はマジに格好いいです。オススメ。
・白いデュエット、そしてフィナーレ。白いデュエットといえばシメさんとアヤちゃん(白城あやかちゃん、現中山秀さん夫人)が名ダンスを数多くを残しており(またまたフラッシュバック中)、だから余計にザッツ宝塚、ザッツ星組な場面です。しかもサヨナラ公演ともなると胸に迫ってくるものがあるのか、客席からはすすり泣きがチラホラ…初日でも千秋楽でもない、「千秋楽まで、あと10日」という妙に生々しい現実に、ときどき押しつぶされそうになりながら。
・エトワールの音花ゆりさん。前回はタキちゃん(出雲綾さん、大御所)で安心して聞けたので、星組生で歌い手といえば誰? と期待していたのですが、期待を裏切らない美声で、難しいメロディーを丁寧に歌い込んでいて素晴らしかった。
・友の会優先公演だったため、最後にエマ社長とワタルくんのごあいさつ。ワタルくんの「本日の公演、楽しんでいただけましたでしょうか?」との問いかけに、客席からは拍手喝采。ああ、あったかいな。いいな、宝塚って。てんこ盛りのショーと、いつ戻ってきてもほんわか優しく楽しい気分にさせてくれる雰囲気を、思い切り楽しんだひとときでした。

劇場を去るとき、同じ列で観てたおばちゃんが一言。「12日が千秋楽かー。時間があったら出待ちでも行こっかな…」
万障繰り合わせて千秋楽を迎える人にも、ふっと立ち寄った人にも、夢と楽しい時間を提供してくれる、宝塚。作者も役者も客席も、限界まで燃え尽きて、今しかない夢の時間を過ごす。冷やかしファンのクセに、やっぱり祈ってしまうのです。フォーエバー・タカラヅカ。宝塚よ、永遠に、と。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。