SSブログ

2013年3月の読書記録 [読書]

「今年は舞台を観る」と言っておきながら、3月にして早々に月間観劇数ゼロ…大好きな「ベルサイユのばら」をスキップしてしまった。紫苑ゆうさんが東京へトークショーしにいらしてたのに、そちらも欠席でした。熱を出して倒れたのと、あとはひたすら仕事だったなあ。何だかなあ…

読了が積み上がらないモヤモヤを埋めるためだけに手に取った「グリーン・マイル」、十数年ぶりに読みましたが面白かった!! 藤沢周平の長編も、シュリンクの短編新刊も小説らしい小説で、くるくる変わるお天気に翻弄されながらも読書している時間は幸福感にうっとり浸った3月でした。

読んだ本の数: 8冊
読んだページ数: 1,604ページ

風の果て〈新装版〉 下風の果て〈新装版〉 下
最初は退屈だったのに、どんどん引き込まれてしまった。時代小説なのにサラリーマン小説、設定は江戸時代なのに「あるある」。人生の階段を昇って得るものと失うもの。上から見る景色、昇りつめた者にしか見えない魔界。「蝉しぐれ」と合わせ鏡のような物語だった。どちらの結末が良いとか悪いとかいうものではなくて、お福様の言葉を借りるなら「きっとこんなふうに終わる」ものなのだ
読了日:3月2日 著者:藤沢 周平


夏の嘘 (新潮クレスト・ブックス)夏の嘘(新潮クレスト・ブックス)
シュリンク2冊めの短編集。短編も長編も安定的に良い作品を書く、安心して読める作家。そんな場所があったらぜひ行ってみたいと思わせる風景描写も相変わらず。どの作品にもキラキラと印象に残るフレーズが出てきて、しかも作品ごとにメリハリがあって飽きない。そしてやっぱり原書を読みたくなる。ひとつ気になったのは冒頭「シーズンオフ」に出てくるオーボエ奏者と主人公の関係。何だか意味深長だったのはオーボエの持つサウンドのせいだろうか
読了日:3月19日 著者:ベルンハルト シュリンク


グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死 (新潮文庫)グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死(新潮文庫)
奥付を見ると平成11年とある。十数年ぶりの再読。初読の際は何のことやら分かっていなかったけれど、改めて読んでみると本気で面白い。最初の巻は伏線。ストーリー以上に著者まえがきが主要コンテンツなのかも
読了日:3月21日 著者:スティーヴン キング


グリーン・マイル〈2〉死刑囚と鼠 (新潮文庫)グリーン・マイル〈2〉死刑囚と鼠(新潮文庫)
全部読み終えてみると、ここもまだ伏線。時系列が行きつ戻りつなのも意味があると分かる。独居房がカラになったある日、「もうこの仕事は続けられない、辞表を出そう」となるくだりは、後半を読むにあたって尾を引いた
読了日:3月22日 著者:スティーヴン キング


グリーン・マイル〈3〉コーフィの手 (新潮文庫)グリーン・マイル〈3〉コーフィの手(新潮文庫)
初読の際いちばん印象に残ったのが3巻。刑務所を扱った小説と思っていたところに初めて非科学的な事件が入り込む。癒し。初読の際は違和感を持った記憶があるが、実はこれこそが小説を読む醍醐味だと思えるようになってきた
読了日:3月23日 著者:スティーヴン キング


グリーン・マイル〈4〉ドラクロアの悲惨な死 (新潮文庫)グリーン・マイル〈4〉ドラクロアの悲惨な死(新潮文庫)
悪役を悪役として描き、救いがない。それだけがこの小説のモヤモヤポイント。ウォートンもパーシーも本当は救われたかったのではないか。ドラクロアの悲惨な死という事件で曖昧に畳まれてしまったけれど、彼らの「明るい面」を見られなかったポールのほうが弱いのではないか
読了日:3月23日 著者:スティーヴン キング


グリーン・マイル〈5〉夜の果てへの旅 (新潮文庫)グリーン・マイル〈5〉夜の果てへの旅(新潮文庫)
ハラハラしながら読む。冒険がスリリングだからではない。冒険の登場人物が皆もろくて弱い存在だから。看守という絶対的に力を持たされた男たちがビビリ続けて行って帰ってくること、実は場を動かしているのは鎖に繋がれたコーフィであること。終盤に向けて文章にも重みが出てくる
読了日:3月23日 著者:スティーヴン キング


グリーン・マイル〈6〉闇の彼方へ (新潮文庫)グリーン・マイル〈6〉闇の彼方へ(新潮文庫)
さすがに最終巻はページ数が多い。たぶんアラバマの分。死に行く男から生命をもらったポールが、生きて多くを目撃し体験してしまうこと、その象徴がアラバマ。次の巻を楽しみに待つ小説でもあり、一気に読んで奥の深さに打ちのめされる小説でもある
読了日:3月23日 著者:スティーヴン キング


読書メーター
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。