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どんな夢でもいい [その他見聞]

観てまいりました、ミュージカル「ヨセフと不思議なテクニカラーのドリームコート」@国際フォーラム・ホールC!!



この作品の存在を初めて知ったのは中学3年のころ、サラ・ブライトマンがアンドリュー・ロイド・ウェバーの作品を歌ったごく初期のアルバムCDに入っていた「Any Dream Will Do」を聴いたのが最初だったと思います。ALWのデビュー作品ということは知っていましたが、その全容を知ることになったのは2年後くらいかな。親が仕事でロンドンへ行った際にALWのミュージックビデオみたいのを買ってきてくれて、その中に「ヨセフ」のハイライト映像が入っており、何だか陽気なミュージカル作品に見えた上、主演していたJason Donovanという男性が大層なイケメンで。同級生数名を巻き込んでハマった作品でした。

後に「ライオンキング」などで名を馳せることになる作詞家ティム・ライスの歌詞がまた良くて、ノートに書き写したりCD聴きながら受験勉強したり、はたまた出てきたフレーズをそのまま英作文の課題に転用したりと楽しみまくっていたミュージカル。最近NYでリバイバル公演をしているのも知らなかったのに、それが東京でツアーをするなんて。これは必見、ということで当時一緒にはまっていた同級生と行ってきました。


作品に対する思い入れが強すぎて、逆にガッカリしたらどうしよう、と少し不安だったのですが…楽しかった。予想以上。

ストーリーは旧約聖書のヨセフ物語。ヨセフを「夢見る少年」と呼び、どんな境遇になっても夢をあきらめないことを子供たちに訴えるシンプルな構成です。

構成はシンプルな分、音楽のアレンジが多種多様で、弟ヨセフに嫉妬する兄たちのナンバーが「ウエスト・サイド・ストーリー」の「クール」のパロディだったり、自分の見た夢について語るエジプトの王様がエルヴィスふうだったり、牢屋に繋がれているはずのヨセフのところへ「ヘアスプレー」ふうのダンサーが励ましに来て、そのままネオン照明の前で歌い踊ったり。衣装・小道具も時代考証なしで、エジプトへ食料を求めてやってきたヨセフの兄弟たちには「Welcome to EGYPT」と書かれた紙袋が結婚式のお土産みたいに配られたり、行商のイシュマエル人がリュック背負ってたり、パン焼き職人が白いコック帽かぶってたり。ちょいちょい日本語のアドリブもあり、最初から最後まで凝りまくりで楽しさ満点の舞台です。

1968年の初演当時は15分あまりの小作品だったのを、アレンジを加えに加えて今の形にしたのが20年くらい前。そこからまたバージョンアップしてたけど、とにかくかなり好きなタイプのミュージカルです。ストーリーが単純で、適度にハチャメチャで、音楽が良い。虚構の世界だからこそ、限界まで荒唐無稽に、かつ親しみやすく味付けし、なおかつ物語の持つメッセージは破綻させない。最後に黄金の馬車で故郷に戻ったヨセフが、大団円を背に「Any Dream Will Do」を歌う、という学芸会のような光景に、はからずも涙がボロボロ流れてしまいました。

どんな夢でもいい、という歌を聴きながら突っ走っていた高校生の自分を思い出し、夢とか言われてもピンと来なくなった最近の自分を思い返し、何はともあれ「ヨセフ」を生で観るという小さな夢が叶ったことに感無量になりつつ、フィナーレで飛んできた紙テープを拝借して劇場を後にしました。14日(月)まで。チャンスがあればもう一度観に行きたいな…
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