モリー先生との火曜日(ミッチ・アルボム著・別宮貞徳訳/NHK出版) [読書]
「死で人生は終わる。つながりは終わらない」
理由あってずっと探していた本、やっと見つけて読むことができました。
死を前にした恩師と、不出来な教え子の対話。ありがちな「泣かせる系」の話だけど純粋に泣けるよ、というのが読んだ人から異口同音に聞かれるコメントです。
スポーツ・ジャーナリストとして活躍する著者・ミッチはある日テレビ番組で、学生時代の恩師であるモリーが不治の病に冒され、余命が数か月しかないことを知る。取るものもとりあえず恩師のもとに向かったミッチは、毎週火曜のひとときを恩師とともに過ごす約束をし、名誉と成功で彩られたこれまでの人生で忘れかけていたあれこれについて講義をしてもらう。死について、恐れについて、許しについて、人生の意味について…。
もーう、設定からテーマから、どこから攻めても「泣かせる系」。語られる内容も人生訓というか、説教くさーい内容で、もう少し若かったら素直な気持ちで読めなかったかもしれない。だんだんに弱っていく先生と、もっといろんなことを、と焦って話を進める教え子。気付くとこちらも躍起になって身を乗り出して、消えゆく命からできるだけ多くのことを聞き出したいと思うようになってしまうのです。
終わり方も、容易に想像のつくものではありますが、読んでよかった、とジーンとなるいい一冊です。素直な気持ちで読めないかもしれない、なんてビクつく前に、是非お手にとって読んでいただきたい一作です。
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